ABSとPBTのキーキャップは音が変わることがありますが、素材名だけで低い音や静かな音になるとは判断できません。 厚さや高さ、スイッチとキーボードの組み合わせも確認しましょう。「PBTのほうがいい音」と聞いたら、どのABS製品と比べたのかが大切です。
ABSとPBTはどんな素材?
どちらもキーキャップに使われるプラスチックです。ABSはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系の樹脂、PBTはポリブチレンテレフタレートです。CORSAIRの素材解説では表面の摩耗や手触りも紹介されています。ただし、指に滑らかに感じることと、耳に低く聴こえることは別の観察です。
音を比べたいときは、触感や色、価格への好みを別にメモしてみてください。先に素材の優劣を決めると、どの音が気に入ったのか説明しづらくなります。
素材と一緒に確認したい仕様
Keychronのキーキャップと音の解説でも、厚さや形、ほかの部品が扱われています。比較するときは、次の項目を分けて書きましょう。
| 項目 | 記録すること |
|---|---|
| 素材 | ABS、PBT、混合素材の表記 |
| 厚さ | メーカーの数値と測定位置。なければ未確認 |
| プロファイル | 高さ・形状の名称と比較するキーの列 |
| 製法 | ダブルショットなど、記載された方式 |
| キーボード構成 | 本体・スイッチ・キー位置が同じか |
ダブルショットという製法名は、ABSやPBTという素材名の代わりにはなりません。別々の項目として読み、不明な仕様は推測で埋めないようにしましょう。
薄いPBTと厚いABSを比べたら?
架空の二つの製品で考えてみます。Aは薄いPBT、Bは厚いABSで、プロファイルも異なります。同じキーボードで聴くと、Bのほうが重みのある音に感じられたとします。
ここで言えるのは「このキーボードではBのほうが重く聴こえた」ということです。「ABSはPBTより低い音」と広げると、厚さや高さも変わったという条件が抜けてしまいます。逆の結果でも同じです。
購入候補の二製品を比べること自体は役に立ちます。ただ、製品を選ぶ比較と、素材だけの影響を調べる比較は別の問いです。仕様を近づけても重さや内部構造が違う場合があるため、完全な素材実験とはいえません。
打鍵動画を見るときの五つの確認
タイトルの素材名だけでなく、説明欄の条件を見てみましょう。
- 本体とスイッチは同じ? 違う場合は構成全体の比較として聴きます。
- 同じ種類のキー? 片方の文字キーと、もう片方のスペースバーを直接比べないようにします。
- 厚さとプロファイルはわかる? 記載がなければ未確認のままにします。
- 録音条件は同じ? マイクの位置、ゲイン、後処理の説明を探します。
- 再生機器は同じ? 小さめの音量から始め、機器をそろえます。端末の音量が同じでも、録音自体の音量が同じとは限りません。
聴いたら「音が大きい」「始まりが明るい」「余韻が短い」を分けて書いてみてください。音量と音色を別々にすると、何が好みに合ったのか伝えやすくなります。表現に迷ったら、thocky・clacky・creamyのコラムも参考にしてください。
商品説明にない情報はどう聞く?
「いい音ですか?」より、具体的な質問が役立ちます。
- このセットのプロファイルと壁の厚さは?
- サンプルで使ったキーボードとスイッチは?
- 自分のキーボードのステム、配列、スペースバーのサイズに対応する?
適合しなければ、音を比べる前に装着が難しくなります。交換全般の確認事項は、キーキャップを替えると打鍵音は変わる?で紹介しています。
KeyKeyでは素材の名前をどう楽しむ?
キーキャップアプリKeyKeyのアイテムはデジタルのコレクションです。絵柄から想像する質感と、結びついたアプリ音を楽しめますが、実物のABSやPBTを音響測定した結果ではありません。
今回は条件をそろえた実物の録音がないため、ABS対PBTの音声比較は掲載していません。代わりにKeyKeyの打鍵音サンプルで、始まりの明瞭さや終わりの丸さを言葉にする練習ができます。サンプルは設計されたアプリ音です。
実物を選ぶときは比較条件を、アプリでは自分で押した反応を手がかりにしてみましょう。KeyKeyのホームページで気になるキーキャップと音を探せます。
参考資料と記事の範囲
上記のメーカー資料は、素材と製品構造の説明に参考にしました。すべてのABS・PBTに当てはまる音の順位として扱ってはいません。架空のA/B例や比較メモは条件を確認するための説明で、実施した実験の結果ではありません。

